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発露。
日々感じたことをありのままに。 気ままに送る日記的不定形メモ。 漫画について語ったり萌を語ったり。
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一緒に茶屋とかに行ってあげてた娘に女装して会いに行く酷く性格の悪い仙蔵の話。















白粉を叩いた顔に仕上げとばかりに紅をひく。

鏡にうつる姿は女そのものであった。
唇をなぞるように触れた小指をそのままに仙蔵は鏡の中の己を見つめた。

(愚かだ)

不意に込み上げる笑い。
それは侮蔑や嘲りを含んでいた。
す、と着物の裾が乱れぬように気をつけながら立ち上がり、笠を被る。
黒く長い艶やかな髪をさっと払い整えるとぽつりと呟く。


「さて、やるか」






「仙蔵。君、随分なしうちをするね」

情けなく下がった眉に口元。呆れた顔をして伊作が声をかける。

「何が?」

振り向き様に微笑んで見せた仙蔵にどきりとした。
片側だけあがった口の端。

「あの娘、悪くないと思っていたんじゃないのかい」
尋ねる伊作に可笑しそうに笑う。

「別にあの娘のことなんてなんとも思ってないさ。媚びる声色に苛立ちこそ感ずれど」

肩にかかる髪をかきあげる。そのまま手にした手ぬぐいで唇の紅を拭い去った。
手ぬぐいを放るとその指で伊作の頬に触れる。

「醜く白粉を塗りたくった女子など。私のような最低な男の模した女よりも醜い女子になど女としての価値など有りはせん」

白い指先が触れた肌から寒さを感じてえもいわれぬ感覚に伊作の背を汗が伝った。
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